ページランク随想録


サイト内におけるトップページに対するリンクについて

Webブラウジングをしていると,ほとんどのホームページがサイト内の隅々のページに至るまでトップページへのリンクを備えた構造になっています。これはどの程度効果があるのでしょうか?この章では,「サイト内トップページリンク」について検証していきます。まずは前々章で最も最初に検証した直列型構造のサイトに「サイト内トップページリンク」を追加した場合です。

直列型は,縦に幾らページを追加しても,トップページのページランクは変化ありませんでしたね。ですが,「サイト内トップページリンク」を追加したことによって,わずかながらトップページのページランクが上昇しています。では,「サイト内トップページリンク」はどの様なサイトにおいても,「無いよりはあった方がマシ」と言えるのでしょうか?もし,そうなら,既に構築されたサイトをお持ちの方は,サイトの構造を崩すことなく,トップページへのリンクを追加するだけで,ページランクに関する一定の成果を得ることができます。誰にでもできて,すごく簡単に思えます。残念ながら,それほど簡単なものではありません。次の例は前章で,お勧めした入口専用ページを有する放射状構造のサイトに「サイト内トップページリンク」を追加した例です。

トップページのページランクは2のままで,全く変化無しです。この構造の最大の特徴はトップページ直下のメニューページのページランクが高まることでしたが,そのメニューページのページランクが1.5と半減してしまいました。この場合,トップページへのリンクを追加したことは大失敗となります。 外部へのリンクの位置を変化させれば,失敗を免れることも可能ではあります。

このように,メニューページのページランクを低下させることなく,トップページのページランクを高めることもできます。このように,ちょっとしたサイト構造の違いによって,「サイト内トップページリンク」は,諸刃の剣のように薬にも毒にもなり得るのです。「サイト内トップページリンク」を各ページにおく場合には慎重な検討が必要と言えるでしょう。また,「サイト内トップページリンク」が有効に機能したとしても,得られる効果はそれほど大きなものではありません。それよりは,むしろサイト全体の構造を改革していった方がページランクを高めるという目的には適していると筆者は考えます。「付け焼き刃」的に用いるトップページリンクには慎重になるべきです。まとめると,
サイト内の各ページにトップページへのリンクを作成することは,時には有益であるが,失敗した場合の損害を考えると採用は慎重にしなければならない
ということになります。


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