ページランク随想録


外部へのリンクの位置について

ここまで,読み進められた方は既にお気づきと思いますが,外部へのリンクをおく場所というのはページランクを考える上では無視できない重要な要素です。ページランクの基本値は外部からのリンクによって決まります。外部からのリンクを積極的に獲得するには相互リンクも必要な手段となり,外部に向けたリンクはサイトの繁栄のためには必要です。そこで,本章では外部に対するリンクの置き方について検証してみましょう。まずは2ページよりなるサイトの下部ページに外部リンクを置いた場合を想定してみます。

トップページランクは2です。図.4.で示したトップページに外部リンクをおいた場合と変化はありません。直列型構造で3ページからなるサイトの場合を見てみます。

トップページのページランクは2ですので,やはり変化はありません。(この形で面白いのは,2番目のページのページランクYが高値:3を示していることです。放射状構造のメニューページと同じ役割をになっているからだと思われますが,この点について,ここではこれ以上は扱いません。)では,外部リンクを更に下部ページへと移動させるとどうでしょうか?3ページの直列型構造ですが,

3ページの直列型構造の最深部に外部リンクをおくと,トップページのページランクが3に増加しました。ページランクが少し増えました。では,更に深い構造にしていきましょう。

4ページの直列型構造の最深部に外部リンクをおいた場合です。ページランクは4となりました。 直列型だけではなく,他の構造でも検証してみましょう。私がおすすめの放射状構造のページでは,外部リンクの位置は影響するでしょうか?

トップページのページランクは4です。図.7.ではページランクは3でしたから,3ページからなる放射状構造のサイトでも外部リンクの位置を下層ページに変えることで,トップページのページランクに好影響を及ぼすことが分かります。
以上より,外部へのリンクを置くページはサイト内のより下層に相当するページにすることが,ページランクを考慮する上では重要であることが明かとなりました。私の経験から言えば,下層と言うよりは外部からページランクが流入するページからより離れたページに外部リンクを置くページを設定すべきだと考えています。
これはリンクされる側にとってはあまり好ましくないことだと考える方がおられます。例えば,「トップページからの相互リンクのみ受け付けます」などと表明しているサイトの管理者の方などがそうでしょう。ですが,私はこういう考え方には反対です。トップページは,ほとんどのサイトにおいて外部からのリンクによってページランクの元となる値が流入してくる重要な場所です。この流入してきたページランクの元となる値をサイト構造で増幅する前に,他ページへのリンクで減らしてしまうのは,非常にもったいないことです。スタートから大きなハンディを背負っているようなものです。そうではなく,流入してきたページランクの値を可能な限りページの構造で増幅して,その一部を外部リンクで返した方が,お互いにとって遥かにメリットが大きいと考えます。私の考え方はまだまだ受け入れられているとは言い難いですが,今後も徐々に浸透していけばいいと考えています。この章のまとめですが,
外部へのリンクは,トップページから最も遠いページに置くことが理想的である
ということになります。


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